水のトラストとは埼玉や東京で暮らす人々の水源地、秩父の森を買い取り守る活動です。これまでに約1,691.7haの森を確保しました。全国的に森の多くは私有地で、確実に守り続けるためにはトラストが最も有効です。水源地を守ることは、大切な水とおいしい空気、多くの生きものを守ることになります。
水のトラスト
紹介チラシ
両神山は標高1,723m、秩父多摩甲斐国立公園の一部を成し、首都圏の人々の暮らしを支える水を育み、百名山のひとつとして全国から訪れる登山者たちを魅了しています。しかし、両神山に広がる森の多くは私有地です。
両神山ナショナルトラスト
市民の力で自然の残る土地を確保していく「見沼田んぼランドトラスト」を1987年から始め、寄付金をもとに開発の恐れのある地区3箇所のトラストを実現させました。これを機にトラスト運動が盛んになり、見沼の市民グループの働きかけの結果、見沼田んぼに残る貴重な斜面林を埼玉県の緑のトラスト保全第1号地が誕生しました。
1990年、上尾市の自然観察調査(当協会委託事業)で、すでに絶滅したと思われていたサクラソウが確認されました。荒川の小さな支流「江川」の下流域の湿地帯であるその場所を、地元地権者と「土地保全協定」を交わし、サクラソウトラストを発足しました。トラストを維持するために上尾の市民ボランティアが支えています。2008年には連携してきた地元団体、NPO法人エンハンスネイチャー荒川・江川が、ナショナルトラストとして土地を取得しました。
300年ほど前に人の手でつくられた、埼玉県西部の武蔵野台地に広がる自然豊かな雑木林です。絶滅の危機に瀕しているオオタカやキツネ、タヌキ、フクロウなど様々な野生の生きものがすんでいます。しかし、相続税支払いのため売られ、伐採や墓地開発、産業廃棄物処理場等に姿を変えてしまいました。「おおたかの森トラスト」では、豊かな自然を子どもたちに引き継ぐため、従来の雑木林の維持管理だけではなく、生きものたちの生息にあった手入れを行うため、地権者と「自然生態系保全協定」を結んだり、森の一部を購入しています。子どもから大人まで多くの市民が、枯れた赤松の炭焼きや、カブトムシのすみかづくり、ごみ拾い、子どもたちへの環境教育などを行っているほか、資材置き場跡地ではコンクリートをはがし、在来種の植栽管理によって元の雑木林戻す「自然再生」を進めています。
おおたかの森トラスト公式HP
都市域では多大な相続税が課せられるため、相続の発生とともにこれまで多くの屋敷林が失われてきました。関さんの森は、相続に伴い維持しきれなくなったためご寄付いただいた千葉県松戸市内の屋敷林です。このような貴重な自然の土地を、特定公益増進法人である当協会にご寄付いただくことで、将来に渡って保全を図っています。
詳しくはこちら 関さんの森エコミュージアム
鳩山町須江にある約4,100㎡の土地をご寄付いただきました。コナラの多い二次林の丘陵地です。森の入り口では、キツツキがたくさんの穴を空けた枯木が出迎えてくれます。元所有者の手でつくられた階段を上り、ふかふかの土を踏み進んでいくと、木漏れ日が差し込む明るい林が広がっています。夏は心地よい風がさっと吹き、葉擦れの音に混じってヤマガラなどの鳥たちの声や、オオムラサキが一心不乱に樹液を吸っています。頂にあるヤマザクラは、春になると美しい花を満開にします。
江戸時代から、赤門のある家と共にあった屋敷林は、人の暮らしを支え、多くの動植物の生命を育んできました。しかし今、街中の自然を維持していくのは、とても難しいしくみになっています。「代々受け継がれてきたこの雑木林を、なんとかこのままの形で残したい」持ち主の方の強い想いで寄付がなされ、この林はずっと変わらぬ姿のまま、人に安らぎを与え、多くの生きものの暮らしを支えることができるようになりました。
赤門屋敷林トラストでは、管理作業ボランティアを募集しています。原則、毎週第1、3月曜日、9時から。詳しくはお問い合わせください。
プレスリリース